こんにちは。
スペースワン ドローン事業部「AUV戦略より自分のスケジュール戦略が必要」でお馴染みのOTY(オーテヤマ)です。
水中ドローンというと「海」「港」「船」といったイメージを持つ方が多いかもしれませんが、
実は“内陸”でも活躍しているんです。
今回はその観点より事例として、とある北の大地で行った水道設備の点検事例をご紹介します。

北の大地の現場
■ 案件概要:ファームポンド(農業用貯水池)点検
今回の現場は、自治体が管理する水道・農業用の貯水施設(ファームポンド)。
水中ドローン操縦・撮影担当として現場に入りました。
■ ロケハンから始まった丁寧な準備
この案件は年度末、まだ雪深い季節にロケハンからスタートしました。

雪をかき分け点検口を確認
現地では図面をもとに操縦位置や立ち入り箇所を確認。
構造物の位置や危険要素を洗い出し、リスクアセスメントを実施しました。
この事前確認がのちのスムーズな撮影に大きく貢献します。

■ 夏、いよいよ本番
そして夏の暑さがピークを過ぎたころ、再び現地へ。
入念な準備と資料共有のおかげで、
撮影は想定時間の半分ほどで完了しました。
現場では元請けの担当者が、自治体職員の方へリアルタイム映像を解説しながら点検を進行。
水中ドローンならではのスピード感と安全性を改めて実感しました。

■ 水中ドローンの強みが活きた瞬間
この貯水施設には、長年点検されていないバルブやゲートがあり、
内部には堆積物が多く存在していました。
水中ドローンを操作していて思いましたが、この堆積物がきめ細く(主に砂と水垢)なので
ダイバーが入ると中性浮力をとった状態をキープするためにフィンを使った時や
フィンがないブーツの状態でも着底するので相当巻き上ることが想像できました。
しかし水中ドローンなら、巻き上げを最小限に抑えながら、高度と角度をキープして観察できます。
実際に水中でも映像はクリアで、
設備の劣化や堆積物の分布をしっかり確認できました。

堆積物でバルブが埋まっている

埋まっていない箇所のバルブ口

巻き上げは油断禁物
■ 使用機体:CHASING M2
今回使用したのはCHASING M2。
流れのない狭小空間での点検にはうってつけの機体でした。
堆積物があっても濁りが少ない環境だったため、
エントリーモデルでありながら、M2の性能を100%発揮できた現場です。

CHASING M2
ただし注意すべきは点検口下の円柱状の柵。
ここにテザーケーブルが引っかかるリスクがあるため、
冷静な操作でケーブルを外す技術が求められます。

投入口すぐ障害物
■ 今はM2の後継機、M2 Sが登場!
現在、CHASING M2(黄色の機体)は生産を終了しており、後継モデルとしてCHASING M2 Sが登場しています。
スペックはほぼ同等ながら、スラスターやメインキャビンの耐性向上など正統強化したモデルです。
全国的にダイバー不足が深刻化する中、
今回のような「目視点検が必要だが潜水が難しい施設」は各地に存在しています。
実は最近全国からファームポンド点検に関する問い合わせが増加しています。
CHASING M2 Sはそのような現場にマッチし最適な点検ツールですのでコスパ的にもおすすめの機体です。
■ 北の大地の歓迎
余談ですが、現場へ向かう途中で野生の鹿さんに遭遇しました。
(クマじゃなくてよかった……!)
雄大な自然の中で、「水中ドローンがインフラを支える」現場を見届けられたことが印象的でした。

野生の鹿さんたちがお出迎え
■ まとめ
水中ドローンは“海だけのツール”ではありません。
内陸の水道・農業施設、上下水道、貯水池など、身近な社会インフラの点検ツールとしても力を発揮します。
「やりたいこと」「できること」に合わせて、最適な機体を選ぶことが何より大切です。
最近CHASING Xの登場や、複数のオプション拡張する現場のニーズがあり、多機能モデルやセンサーをお勧めすることももちろんあります。
逆に原点に振り返るとCHASING M2(S)は非常に優秀な機体といえます。
私たちは機器導入のご相談をいただく際、撮影の依頼をいただく際には「どのような環境で」「どのような成果」が必要かお伺いします。
そこから確実に業務を遂行するために機器を検討しますがオーバースペックにならないようにも考えます。
そんなわたしたちの現場からのリアルな声として、この経験が皆さんの導入検討のヒントになれば嬉しいです。