みなさまこんにちは、CHASINGアンバサダーの大野です!
何やら9月も暑い日が続くらしいとのことで体調崩されていませんか、、、
私が子供のころは、9月といったら「秋!」なイメージだったのですが気のせいでしょうか。
暑いのは苦手なので早く過ぎてくれることを祈るばかりです。
さて、今回はCHASING製品を扱うにあたり、これを忘れると故障に繋がる関連のネタをまとめてみました(マニュアルにも記載されている内容が多いです)。
今まで水中で作業されてきた方や、各分野の方からすると「当然」といった内容にもなっていますので、軽い気持ちで見ていただければと思います。
我々から機体をご購入いただいた場合は、メーカーのオリジナルマニュアルに加え、日本独自の基本マニュアルも付属していますよ!(宣伝)
ではさっそくいってみましょう!
◆各部の締め込みを確認
まずは各部の締め込みを確認しましょう。
1人で運用する場合は問題ないかもしれませんが、複数人で運用する場合は、誰がどこをチェックするかわかりません。
空中と違い水中ドローンは精密機械を水に入れるため、一つのミスで壊れる可能性が非常に高いです。
「他の人が確認してるだろう」
では仕事にならないため、最終チェック者を決め責任の所在もしっかり決めましょう。
アクセサリを使用される人やスラスターのメンテナンスで各部を外される人は、各部のキャップや締め込みなど緩いところがないか確認しましょう。
◆テザーコネクターを締めこむ
奥まで締まっていれば問題はありませんが、人によって締め具合が違うため、締めこんだあとにさらに押し込みながら締めこむことによりコネクタのO-RINGが押しつぶされ、反発により浸水を防ぎます。
締めこむ際は、まず黒や緑のO-RINGが接地しているか確認して締めこみ、もう一度押し込みながら締めこむことを意識しましょう。
そのため、O-RINGが破損していないかというのは非常に重要です。
これはテザーケーブル以外のスラスターやアクセサリなども同様です。
◆後方フック(バックル)にテザーケーブルを引っ掛ける
機体を投入・回収する際は、テザーケーブル持って運用することが多いです。
直線で100kgまで耐えられるため、テザーケーブルを引っ張って切れたことは聞いたことがありません(何かに引っかかって切り傷から切れたということは聞いたことがあります、、、)が、この後方フックにケーブルやカラビナが引っかかっていないと、機体の重量がコネクタの一点に掛かり壊れますので注意しましょう。
「テザーケーブルで回収しないから大丈夫!」
と思っても、テザーケーブルが何かに引っかかった瞬間にケーブルが張ってしまうと、瞬間的にコネクターに力が加わるため、破損や浸水に繋がりやすいです。
機体が再起動を繰り返したり、深度表示が異常値を示したりなどの通常ではない挙動を行う場合は、、コネクターの締め込みが甘いことによる浸水や、コネクターがぶつかったことによる衝撃で浸水→異常行動がみられる場合が多いです。
これが、「乾燥すれば改善する一時的な症状」なのか、「基板が破損している」のかは点検してみないと分かりません。
◆バッテリー三点ロック
横の赤丸二点と後方の赤四角一点を確認しましょう。
ちなみに写真の赤丸はロックがされていない状態です。これらがしっかりとロックされてないとバッテリーが海中へ沈んでしまったり、機体の破損に繋がります。
◆起動確認(ROVランプが点灯したらアプリ起動)
機体に同梱されているRC3(コントローラー)では、起動した際にコントローラーのROVランプが点灯(起動)か点滅(未起動)かで機体状況を確認できます。
機体から起動音が鳴り終わってから(実際にはスラスターから音が鳴っていますが)10秒程度で点灯になります。
最終的にこれ以上長く点滅するようであれば、「バージョンが古い」か、「何かしらの破損」が考えられます。
デバイスの裏で起動したままのアプリを再起動させたりAndroid端末の場合は、接続まで長い、接続できない場合があります。
◆接続は有線か無線かどちらかのみで
コントローラーとデバイス(スマホなど)はデータケーブルで有線接続をするか、Wi-Fiでの無線接続が可能です。
しかし無線接続をしながら有線接続もしたりと両方の接続を同時に使用すると接続が不安定になるため、どちらかだけを使用してください。
無線接続は電波干渉があるため、特段の理由がなければ有線接続をお勧めします。
また、デバイスにセキュリティやVPNに関わるアプリがインストールされていると接続できない場合があるため注意してください。
◆LEDとスラスターの気中動作確認
機体のLEDとスラスターは水中での動作を前提として作られています。
そのため、気中で長時間起動させると熱を持ち故障の原因となります。
特に点灯させたまま水中に投入すると温度差により破損する可能性があるため、水中で点灯させましょう。
写真はMAXのLEDライトですが、気中で長時間点灯させたことによる霧化が発生しています。ガラスが割れているわけではないため使用に問題はありませんが、見た目が悪いですよね、、、
気中で動作確認される場合は目視確認程度にしていただき、5秒くらいで停止するのが安全かと思います。
(10秒動かしたから絶対に壊れる!というわけではありません)
長時間の稼働は、熱で溶けたり消磁などの破損に繋がります。
また、固着して動かない(手で回せない)スラスターをコントローラーやデバイスで動かすと、スラスターや内部基板に負荷がかかり破損に繋がる場合があります。
気中で動作確認される場合は、固着したスラスターを外してから動作確認しましょう。
固着の可能性にすぐ気付けるように、週一回でも手で触って確認されることをお勧めします(室温などにもより、内部の状況によっては一日や二日でも固着する場合があります。私は十数台を毎日チェックしていますが、問題なければ一台5秒くらいで終わるのであまり手間ではないです)。
◆カメラ設定(OSD、ビットレート、動画静止画などなど)
まずは動画と静止画が動くのか(SDの入れ忘れや破損がないか)確認します。
M2シリーズではMicro SDが使用できますが、SDが入っているにも関わらず機体が認識しない場合は、アプリ上でフォーマットをすることにより認識する場合があります。
フォーマットすると当然SD内の全データが消去されますので、必要に応じてバックアップをしましょう。
ビットレートとOSDなどはその時々に合わせて変更します。
OSDは「撮影したものに日付や深度などの情報を書き込む」ことができます。
ただし、あとから外すことや書き込みはできませんので忘れずに設定しましょう。
ビットレートは動画の画質に影響を与えますが、これは見ていただくのが早いかと思いますので以下の動画をどうぞ。
・ビットレート最低値
https://www.youtube.com/watch?v=dNeDUIwzKYU
・ビットレート最大値
https://www.youtube.com/watch?v=ZeO2KcK_GnQ
上記動画はビットレート以外は全て同じ設定です。
ちなみにデフォルトでは20Mbに設定されていますが、最低値と最大値では書き込むデータが10倍近く変わるため、容量に注意です。
◆電源を落とす前に録画を停める
録画中に電源を落とすと録画データが破損します。
我々で復旧できる場合はありますが絶対ではありません。
また、再度電源を入れることにより破損したデータが復旧する場合がありますが、高確率で日付データなどがおかしくなります。
そのため、電源を落とす前に必ず録画を停止しましょう。
◆テザーケーブルを外す前に水洗い
特に海水の導電性が高いため、そのままテザーケーブルを外すのではなく、外すコネクターやバッテリーまわりを水で洗ってから外すとより安全です(現場には洗浄用で500mlや1lの水を持って行っています)。
エアダスターなどで水分を飛ばすこともお勧めですが、場所によって、飛ばした水が別の場所に入り込んでしまう可能性もあるため、なんでもかんでもエアダスターを使用すれば良いわけではないです。
濡れた機材を外す際は最新の注意が必要なので、不安であれば乾くまで陰干ししてから各部を外すこともお勧めです。
と、まとめながらどんどん長くなっていったため、今回はVol.1としました。(Vol.2があるかどうかは、、、)
このように、水で運用するからこそ気を付けなくてはいけないことがあり、「購入してすぐに使えるか」と問われると難しいかと思われます。
操縦は簡単ですが、実際の運用となるといろいろなことに注意しないといけないため、特に水中関連で業務をされたことがない方には、機体の購入とセットで導入講習やライセンス取得をお勧めしています。
本来はメンテナンスも掲載する予定だったのですが、長くなったためまた次回にでも掲載したいと思います。
CHASING製品は価格からすると高性能だと自負しています。しかしながら、メンテナンスフリーというわけではありません。
数十万でメンテナンスも継続するCHASING製品を選ばれるのか、数百万、数千万でメンテナンスフリーの機体を選ばれるのかというのは皆様次第となります。
どの機体にもメリットとデメリットが存在するはずなので、ご自身にあった機体を選んでください。
ご不明点はお気軽にお問合せください!